弱い女の生き方

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映画「インサイド・ヘッド」は”人間あるある”と教訓の宝庫【感想】

ディズニープラスでピクサー映画『インサイド・ヘッド』を観ました。2ではなくて1なのでかなり今さらですが、もっと早く観ればよかった…。めちゃくちゃ面白かったし、人生に役立つ要素もあったので。

この映画では感情を擬人化し、ライリーという少女の頭の中で働く、ヨロコビ、イカリ、ムカムカ、ビビリ、カナシミの5つの感情たちの様子をメインに描いています。

引っ越しを機にライリーの感情が不安定になり、5人で協力(?)しながら解決を目指すコメディ映画。子ども向けですが、笑いあり、涙あり、学びありの内容で30代女性(私)でも楽しめました!

冒頭ネタバレなしで紹介、後半からはネタバレありで感想を書いていきます。

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楽しみたい人にも感動したい人にもおすすめの映画(ネタバレなし)

ディズニー・ピクサー映画なので、100%ハッピーエンド保証がうれしいところ(個人的に)。
特に好きなポイントを簡単に言うと、

  • 感情たちはもちろん、感情以外の頭の中の仕組みも面白い!
  • 自分に置き換えて考えるのも楽しい
  • 見終わった後も感情の整理に役立つ

1つ目は、見る前には知らなかった良さだったので印象に残りました。
ネタバレにもなるので後ほど書きますが、この部分は大人こそ楽しめる要素だと思います。

ちょっと悲しいシーンもありますが、そこはさすがディズニー。ずっと悲しいだけではなくて楽しい要素も挟んでくるので、つらくありません。

家族・友達・恋人と見ても、もちろん1人で見ても楽しい映画です!

強いて言えばピエロ恐怖症の人は注意?(ネタバレなし)

個人的にはどんな人にでもおすすめできる映画だと思っていますが、「ピエロ恐怖症」の人はちょっと怖いと感じるシーンがあるかもしれません。

ホラー映画のようにものすごく怖く描かれているわけではないのですが、一応ピエロが出てきます。

映画の中でも、主人公ライリーの「怖い存在」として登場するので、共感できるポイントでもあるのかなと思いつつ…見るだけで無理!という人はご注意ください。

好きなポイント・感想(以下、ネタバレあり)

※ここから先は作品の展開や結末に関する内容を含みます※

展開を知っていても楽しめる作品ですが、個人的には展開や結末を知らずに見てほしいので、未視聴の方はご注意ください。

「人間あるある」が盛りだくさん

本作に出てくる感情はヨロコビ、イカリ、ムカムカ、ビビリ、カナシミの5つですが、感情以外にも、私たちの頭の中にあるものをユニークに表現していてます。

性格の島

たとえば、思い出の中でも人生にとって重要な出来事は「特別な思い出」として保管されて、「性格の島」を作るというシステム。

ライリーの場合は「ホッケーの島」「おふざけの島」「友情の島」「正直の島」「家族の島」でしたが、私だったらどんな島があるんだろう…と思わず考えちゃいました。(オタクの島がかなり大きくなってそう)

感情がぐちゃぐちゃになると性格の島が壊れる、というのも興味深い設定。自分を見失うってことなんでしょうか。

記憶の棚とCMソング

性格の島の近くにある「思い出の保管庫」には記憶の棚があり、思い出のボールが並んでいます。たぶんここにあるのは「普段思い出さないけど頭の中には残っている記憶」ですね。

作業員が色褪せたボールを捨てると、記憶は完全に失われるのだとか。

ガムのCM曲は時々意味もなく司令部に送っているっていうのがかなり面白い。一度思い出すと頭から離れないCM曲、ありますよね…。

空想の友達「ビンボン」

ヨロコビとカナシミが司令部への道を探す中で出会った「ビンボン」は、ライリーが幼い頃に生み出した空想の友達。猫とゾウが組み合わさったような見た目で、涙はキャンディという何とも子どもらしい発想で可愛いです。

私はこのビンボンに一番泣かされてしまいました。そもそもライリーはもう空想の友達のことをすっかり忘れていて、でもビンボンはずっと「(昔2人で作ったロケットで)ライリーを月に連れて行く」と言ってるのがもう…。

このロケットが捨てられてしまうところで泣きましたね。トイストーリー3的な切なさがありました。自分も忘れてるだけで、こういう空想の友達がいたのかなぁ。

夢の制作スタジオ

これもかなり面白いと思ったのが、眠る時に見る夢を制作する撮影スタジオのようなもの。

映画の製作所みたいな雰囲気で、「追いかけられる」とか「空を飛ぶ」とか定番の夢がヒット作のポスターみたいに飾られてるのとか、「皆そうなんだ」って笑っちゃいました。

台本もその日1日の出来事をなぞりつつ、意味不明な出来事を加えた感じで夢っぽい。

嫌いなもの倉庫(潜在意識)

夢に介入したビンボンが警備員に捕まって連れて行かれた場所は、嫌いなものを閉じ込めておく倉庫(潜在意識)でした。トラウマをしまっておく場所ですね。

ライリーの倉庫にはおばあちゃんの掃除機とか地下室への階段とか、子どもが怖がりそうな物がしまってあります。私の倉庫には小さい頃に見た「学校のコワイうわさ 花子さんがきた!!」の太郎くんは確実にいるだろうな。

そしてここに出てくるのがピエロの「ジャングルズ」です。

「悲しみを否定しない」という教訓

ヨロコビは最初、カナシミに「大人しくしていて」と言います。カナシミが思い出のボールに触れると、楽しかったはずの記憶が悲しい記憶に変わってしまうから。

ライリーの母親も「ライリーとママの笑顔でパパを元気にしましょう」と言います。これによってライリーは自分の不安や寂しさを上手に処理できなくなったのでしょう。

カナシミ=悲しみを抑えつけてしまうと、自分の中で膨れ上がったり、怒りに変わったりして周りも自分も傷つける。これは私自身にも覚えがあるし、起こりがちだよなぁと思います。

終盤、悲しい出来事の後に絆が深まっていたことに気づくヨロコビ。悲しみが必要だと受け入れて、ライリーも両親の前で涙を流します。そして悲しみを自分と家族で受け止め、皆で乗り越えることができました。

自分の感情の整理にも役立つ

生きているといろいろな出来事があり、時には怒りや悲しみに飲み込まれそうになる時もあります。

そんな時にこの作品を思い出せば、「今、自分の頭の中はこんな様子かも」と少し冷静になれるかも。

「事実と意見の見分けがつかない」とか、クスッと笑えて教訓になるシーンが盛りだくさんでした。
海外では教材として使われることもある、というのをどこかで見かけたのですが、それにも納得です。

総合評価

ただ面白いだけじゃない、ただ感動するだけじゃない、ただ学べるだけじゃない。その全てを兼ね備えたディズニー・ピクサーの名作。

感情だけではなく、あらゆる脳内の出来事を「自分だけじゃないんだ」と知れるだけでも安心するし、他人に歩み寄るきっかけにもなりそうです。

よわみ的に点数をつけるとしたら…92点

インサイド・ヘッド2』はまだ見られていないので、いずれぜひ見てみたいと思っています!

1はディズニープラスで配信されているので、入っている方はぜひ見てみてください。
EDまで面白い…というか、EDも含めて作品だと思ったので、そちらもお見逃しなく!