弱い女の暮らし方

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映画「リメンバー・ミー」もっと歌が聴きたかった…!【感想】

「まだ観てない」と言うと「絶対好きだよ!」と言われ続けてきた「リメンバー・ミー」、満を持して観ました!

結果、たしかに良かったし泣いたけど、良かったからこそ、「もっとこうだったらなぁ」と思う部分もありました。

いつも通り、冒頭ネタバレなしで紹介、後半からはネタバレありで感想を書いていきます。

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あらすじ

家庭よりも音楽を選んで家を出た夫を恨むママ・イメルダは、子孫にも音楽に触れることを禁じた。主人公はそのイメルダのひいひい孫のミゲル。

当然幼い頃から音楽を禁じられて育ったが、彼は音楽が大好きで隠れてギターや歌を楽しみ、デラクルスというミュージシャンに憧れ、自身もミュージシャンを夢見ていた。ミゲルはあることをきっかけに、死者の国に飛ばされてしまい…。

美しい景色や家族愛を感じたい方におすすめの映画(ネタバレなし)

個人的に好きなポイントをまとめると、

  • カラフルな色づかいが美しい&可愛らしくて絵だけでも楽しい
  • テンポよくわかりやすい上に見応えのあるストーリー
  • 家族の絆や愛が感じられてほっこり泣ける

こんな感じでしょうか。

特にストーリーに関しては他のディズニー映画と比べても作り込まれている印象。テンポの良さもさすがディズニーです。(私は久しぶりに見たディズニー映画が本作だったので、最初置いていかれかけましたが…)

「死者の国に行く」というのはなんとなく知っていたので悲しい話かな?と思っていたのですがそんなこともなく、明るくポップな気持ちで見れました。

家族や恋人と楽しむのにも、1人でゆっくり楽しむのにもおすすめです。

ミュージカル映画ではないので歌は少なめ(ネタバレなし)

「音楽」も1つのテーマとして扱っているし、CMなどでも歌推しな印象があるので、歌に期待して見る方が多いと思います。私もそうでした。

もちろん歌はめちゃくちゃ良かったのですが、良かっただけに、「意外と歌うシーンが少ない…」と思ってしまいました。

幼い頃からディズニー映画を見て育ったせいで、ディズニー映画=たくさん歌うが染み付いていたのかも。

ストーリーが作り込まれている分、歌が入れられなかったのかな?と思いつつ、個人的にはそこがちょっと残念ポイントでした。

逆に、歌うシーンが少ないことで、歌が際立っているという見方もありそう。この部分はネタバレありの方でもちょっと触れたいと思います。

好きなポイント・感想(以下、ネタバレあり)

※ここから先は作品の展開や結末に関する内容を含みます※

展開を知っていても楽しめる作品ですが、個人的には展開や結末を知らずに見てほしいので、未視聴の方はご注意ください。

いい意味で予想外!作り込まれたストーリー

事前知識が「子どもが歌う」「死者の国が舞台」のみで、「子どもが死んじゃった後の話…?」とぼんやり勘違いしていたくらい何も知らずに観ました。

だから余計に、作り込まれたストーリーにびっくり。
すっかりデラクルスがひいひいおじいちゃんだと思い込まされたままネタバラシのシーンを迎えたので、「ええ〜!」っとなりました。

でも本当のひいひいおじいちゃんであるヘクターと息ぴったりの歌を披露した後だったから、すぐ納得できるのも気持ちいい。
ヘクターが死者の日に帰れない=写真が飾られていないのもそういうことか、とするする答え合わせができます。

※私の友達は結構早い段階でそこの仕掛けに気づいたらしいので、私が鈍いだけ説もあります。

明るく楽しい「死者の国」の描写

おどろおどろしい雰囲気で描かれがちな「死後の世界」ですが、本作ではとてもカラフルで賑やかな街として描かれています。これが見ているだけでもワクワクするような美しさなんですよね。

(メキシコでは実際、毎年11月1日と2日に死者の日(Día de los Muertos)という明るく楽しい行事が行われているそう。日本でいうお盆だと考えると、死生観にかなりの違いがあることがわかって面白い)

だから死後の世界という悲しげな舞台でもシリアスすぎず、子どもでも怖がらずに楽しめる作品になっているんだと思います。

一方で、「写真を飾ってもらえないと現世に行けない」「忘れられたら消えてしまう」というルールもあるので、必要以上に憧れる(極端な話ですが自◯を誘発するなど)こともなく、絶妙なバランス。

ママ・ココとのラストシーン

現世で唯一ヘクターのことを覚えている人物が、ミゲルのひいおばあちゃんであり、ヘクターの娘であるママ・ココ。しかし彼女は99歳という高齢で認知症も患っているため、ヘクターのことを忘れかけていました。

一番泣かされたのがこのママ・ココ。
物語のラストで、ミゲルがようやく現世に戻り、ママ・ココに「リメンバー・ミー」を歌うシーンです。記憶もあやふやでぼんやりしていたママ・ココが、歌を聴いているうちにヘクターと過ごした時間を思い出し、笑って歌い出す……驚き、涙ぐむ他の家族も相まって自然と涙があふれました。

ママ・ココが亡くなった後、また死者の日がやってきます。写真を飾ってもらえたヘクターとママ・イメルダ、そしてママ・ココが三人で手を繋いで歩き出すシーンでもまた涙…。

再会できたんだよかったね、という気持ちと、何よりママ・ココはおばあちゃんの姿なのにヘクターは「娘」として接しているのが素敵で。何歳になっても娘は娘なんだな、というのがわかって、胸が締め付けられました。

個人的に微妙だったポイント

全体的には好きだったのですが、一部納得できないポイントや、「もっとこうだったら」と思ったポイントもありました。

完全に好みの問題だと思うので、リメンバー・ミーが大好きで批判なんて見たくない!という方は以下の感想は見ないようにしてください。

もっと歌が聴きたかった!

これは完全に好みの問題だと先にお詫びしておきます。

ミュージカル映画を好んで見るわけではないけどディズニー映画を見て育った私。自分で思っていたよりも、ディズニーが作るミュージカル映画が体に染み付いていたようです。

特にリメンバー・ミーはCMやフィルハーマジックなどで「歌がメインなんだ!」という印象だったので、勝手にミュージカル映画だと思い込んでいました。

だから、ヘクターとミゲルがステージで歌う「ウンポコロコ」が始まったとき「来た来た!」と沸いたのですが、思ったより早く終わってしまって「え?もう終わり?」となってしまったり…。

ストーリーの中であまり歌わないからこそ、ラストのリメンバー・ミーが引き立つというのも間違いないです。実際泣きました。でも歌はもっと聴きたかった!心が2つある!

ラクルスファンの掌返しに納得できない

終盤、デラクルスのコンサート会場で、集まったファンにも彼の悪事が知れ渡るシーン。

自分の成功のためにヘクターを殺したこと、ミゲルを突き落としたこと、全てが知られてしまうので、騙されていたファン達が怒り、彼を批判するのはわかります。

でも、その切り替えがあまりにも早すぎない?という部分が違和感…。

今まで、デラクルスの音楽や存在を支えにしていた人もいるよね?
そんな人が実は悪人だからって、いきなりその場にいる全員が罵倒して物を投げつけ、彼が亡くなった時と同じように鐘の下敷きになったら大歓声って…切り替え早すぎない!?

私にも心の支えにしている歌手がいます。
もしその人が実は悪人で…ってなったら、絶望して戸惑って泣くだろうけど、今まで支えられたのは紛れもない事実だから、少なくともその場で罵倒したりはしない気がする…。

もちろん怒っている人がいてもいいんですが、何人かは泣くとか、戸惑うとか、そういう描写が入っていた方がより感情移入できたと思います。

大衆があまりにも舞台装置に徹しすぎていて、なんか機械じみていて、怖さや気持ち悪さを感じた。

ラクルスはもちろん最低最悪なんだけれども、ちょっと可哀想だなとすら思っちゃいました。

総合評価

死者の国という怖そうな舞台を、映像美と音楽で明るく軽やかに表現したリメンバー・ミー
ワクワクとハラハラ、そして最後には感動も感じられる名作でした。

よわみ的に点数をつけるとしたら…79点

やっぱり音楽をもう少し聴きたかったという個人的な好みが大きいです。あとは細かい部分の違和感によって悪を悪だと思いきれず、モヤっとした部分が残ってしまったこと。

ただ全体的にはとても良かったので、人気なのも納得です。
まだ見たことがない方はぜひ、ディズニープラスなどで見てみてください!

 

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